ノエラ・モランタン ピノノワール オマージュ ア オリヴィエ ヴィニフィエ パー ジュンコ 2021 【赤】750ml
¥4,400 税込
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ボワルカを引き継いだノエラと共に亡きオリヴィエへ感謝を込めて醸造しました。ピノノワールを半分除梗し交互にミルフィーユ上でタンクで2週間醸し9月末にデキュヴェしプレス、木製タンクで発酵し500Lの木樽とセメントで7 ヶ月間熟成しました。ガーネット色、クランベリーやフランボワーズ、スミレの香り、口あたり柔らかくフレッシュな果実味、穏やかなタンニンに心地良い酸です。
2002年に始めたDomaine des Bois Lucasは2021年でワイナリーを閉鎖しました。
このピノ・ノワールが最後のビンテージです。ご存じ2019年からコロナの脅威が世界
中に広がりました。2020年はなかなか日本を出る事が出来ませんでしたが、畑を手伝ってくれているMichel Augeがいたから大きな問題は起きませんでした。彼とは20年の付合いですから、私がフランスに行けなくてもメールのやり取りで畑の管理をして下さり、醸造の秋には私が渡仏出来たので、ワインを造れました。その時、まだコロナは収まっておらず、Michelは「順子が来れなくても自分1人で大丈夫だ!」と言ってくれましたが、もう私は無理だとワイナリーを辞める決心をしました。コロナで沢山の方が人生をリセットされましたよね。私もその1人です。
2021年に入り、私の大切な畑を引き継ぐのは隣の畑を持っており、同じ農法、そして一緒にワイン造りを手伝ってくれたNoella MORANTIN です。色々考え、2021年迄私がワインを造るのを条件にノエラに売る事を決めました。2002年から丁度20年目のビンテージ、ちょうど還暦も迎え、キリも良かったので踏ん切りが付いたのです。そのワインは2019年から造っているオリヴィエの醸造所で造る予定でした。ところが2021年6月、オリヴィエの悲報が皆を驚かせました。誰もかれもがショックでした。ノエラと相談し、2021年、最後にオリヴィエの所で私のワインを醸造する予定だったど、それは不可能になったので、ノエラの所で造らせて貰いたい!、そしてノエラも二つ返事でOKでした。
そして、それはオリヴィエへの賛辞という思いを込め、Cuvee Hommarge Olivierと名付けました。本当はシャルドネも造りたかったのですが2021年はご存じロワールにとって悪いビンテージ。シャルドネは殆ど収穫できませんでした。Pinot NoirもBestの出来ではありませんでした。
しかしノエラも私もオリヴィエに感謝を込めて一緒に醸造しました。
【VdF Pinot Noir 2021 Hommage pour Olivier】
南仏のCheteau Gaureのピノ・ノワール/Hommarge Olivierはニコラ・ルナールとコラボで造りましたが、今回ロワールではボワルカの私が植樹したピノ・ノワールで、あのノエラ・モランタンと一緒に仕込みました。南仏の収穫は2021年9月5日でしたが、ロワールのピノ・ノワールは9月16日でした。本当はもっと糖度を載せたかったのですが、Noellaの他の畑の収穫スケジュールとの関係で始めました。朝、雨が降っておりましたが、収穫開始。これが私の醸造所なら収穫日を変えましたが、それは不可能でした。そのままノエラのThesseの醸造所にブドウを持ち運びます。面白い物で2002年、最初に作った醸造所は同じ村のThesseです。それも同じ通りの直ぐ近く、この村で私のワイン造りが始まり、この村で最後の私の畑の醸造をする事になったのです。私の最初の醸造所は今もJardin de ThesseのPaule達が醸造しております。量があまりない、Pinot Noirをタンクに入れ、半分は手でエグラッペして、ミルフィーユ状に重ねていきます。58ケースしかありませんでしたから、本当に仕込みは直ぐに終わり、15時には完了しました。本当なら早く仕事が終わるのは嬉しいのですが、なんだか私は寂しい気がしました。その後、直ぐに南仏のピノ・ノワールのデキュベがあるので、もろみ管理はノエラにお願いしました。南仏からロワールに戻らず、そのままボジョレーに直行、ヌーボの収穫です。ボジョレーの仕込みが終わり、ロワールに戻りました。発酵が落ち着き、デキュベをしたのが9月29日、2週間しか漬け込む事が出来ず、プレス後木のタンクで落ちつかせました。1ケ月タンクの中で様子を見て、10月21日、約1ケ月後に、1部を500Lの樽に移し、残りはコンクリートタンクで熟成。大柄な味わいではないので、2022年3月に
瓶詰めをしようと予定しておりました。ところがその直前2人で試飲し、数値的には瓶詰め可能でしたが、官能的にマロが落ち着かず、結局5月迄待つ事になりました。無理しても良かったのかもしれませんが、オリヴィエの顔が浮かび、こういうビンテージだから丁寧に造ろうと!そして私は帰国し、ノエラとメールでやり取りし、瓶詰めをする段階になり、私がどうしても5月に渡仏出来なかったので、瓶詰めはノエラに任せました。最後は立ち合いたかったのですが、私の渡仏を待てばso2を入れなくてはなりません。ノエラと相談し、一切添加したくなかったので、私無しで瓶詰め開始を決定しました。勿論、瓶詰めした後、現地で試飲はしております。
このワインは決してtopの味わいではありません。良いわけではありませんが、2021年のロワールは春の霜で沢山の被害がありました。そういうビンテージの中、雨の収穫、自分の醸造所でない様々な要因等々、100%思った通りの醸造ではありませんでした。でも言い訳です。しかし私にとっては最後の大切なピノ・ノワール、色んな思いが籠っております。
(2023年4月25日)
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